一つ前の投稿でご紹介したグレタさんのデモの翌日に日本の朝日新聞に掲載された記事が私を混乱させたので、その内容をお伝えすることにします。
記事の内容は「SDGs達成度 日本また後退」で、日本の順位が年を追うごとに下がっているというものでした。しかし私の目を引いたのはそこでなく、記事の横に載せられていた国別ランキングでした。そこにはスウェーデンは3位、日本は19位とありました。日本の順位が下がってきているのは何となくわかりますが、ではスウェーデンとの差は一体何なのだろうという疑問が湧き、これに関するデータを探しました。そこで見つけたのが下記のグラフです。
グラフが小さく見にくくて恐縮なのですが、よくご覧いただくと日本とスウェーデンの差が大きく表れているのは、つまりスウェーデンの方がスコアが高いのは、SDGsの17のターゲットのうち5番、6番、7番、9番、10番であるのがわかります。これらのターゲットの意味は下記の通りです。
5番:ジェンダー平等を実現しよう
6番:安全な水とトイレを世界中に
7番:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
9番:産業と技術革新の基盤をつくろう
10番:人や国の不平等をなくそう
15番:陸の豊かさも守ろう
逆に日本の方がスコアが高いのは12番、13番、16番です。
12番:つくる責任 つかう責任
13番:気候変動に具体的な対策を
16番:平和と公正をすべての人に
スウェーデンの方がスコアが高いものには「平等」という言葉やそれを感じさせるものが多く、日本の方がスコアが高いものには「気候」の言葉があります。
日本の方が気候、つまり環境については上なのか?それは何かの間違いだと思いましたが何度見てもその事実は変わりません。
私は「これは一体どういうことだ?」と混乱してしまいました。私がスウェーデンに来た理由はスウェーデンのサステナビリティを学ぶというのがあり、特に環境先進国なのでここを中心に見て周り情報を取ろうと思っていました。実際グレタさんの気候変動対策に対するデモも見ることができました。
でもこのグラフから得られたのは、私が事前に情報を得ていたのとは真逆の内容でした。事前調査が甘いのが一因とも言えますが、この事実はこの後の私のスウェーデン滞在の目的を大きく変えるものとなりました。
スウェーデンは環境先進国というよりも「人権先進国」。
滞在4日目にして前提が大きくひっくり返りましたが、この仮説が合っているのか、ここを中心に情報をとるべく多くの人と会って検証していくことにしました。
一つ断りを入れておきますと、スウェーデンのスコアが高い項目に、7番:エネルギーをみんなにそしてクリーンに、9番:産業と技術革新の基盤をつくろう、とある通りインフラ関連の環境技術はスウェーデンは特に優れていて、当たり前ですが、スウェーデンが環境に弱い国では決してないことを最後に付け加えておきます。